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~Kota’s column~「安心」を求めすぎて、不自由になった日本人へ ― コロナが映し出した“責任回避と恐れの文化” ― NEW


Ⅰ. まだマスクを外せない国

 

先日訪問したイタリア、また欧州各国は2022年の時点で、病院や老人施設でもマスクは任意になっている。医師も看護師も、入居者も訪問者も、皆が素顔で語り合い、触れ合い、笑っている。検温もなく、面会の制限もない。

そこにあるのは「人生を楽しむ」「命を信頼する」という文化だ。

 

一方、日本では今も多くの場でマスクが”当然”とされ、病院や施設では面会時間すら制限されている。

空気のように漂う「感染リスク」という言葉の背後には、“責任を取りたくない”という無意識の恐れが潜んでいるのかもしれない。

 


Ⅱ. 「誰も責任を取りたくない」社会の構造

 

コロナ禍で明らかになったのは、ウイルスそのものの脅威ではなく、社会全体に根づく「責任回避の構造」だった。

何かが起きると「誰の責任か」を探す。

 

だから誰も決断しない。

だから制度は遅れ、現場は疲弊し、個人は萎縮する。

日本には、失敗よりも「責められること」を恐れる文化がある。

 

それがやがて、行動しないこと=安全という錯覚を生む。結果、人々は外側の基準に縛られ、自分で感じ、自分で選ぶ力を失っていく。

 


Ⅲ. “念のため”という優しさの裏にあるもの

 

最近よく耳にするのが、「家族が少し体調を崩しているので、自分は元気でも念のため休みます」という声だ。

 

それは思いやりに満ちた行動だ。だが同時に、「うつしてしまうかもしれない」という目に見えない恐れが、私たちの心をそっと締めつけてはいないだろうか。

 

2020年以前、健康な人がここまで慎重になることは少なかった。”念のため”という言葉には、優しさと同じくらい、社会全体にしみ込んだ不安が見え隠れしている。

そして日本以外の国々は、すでにかつての、本来の人間的な生活を取り戻していることを忘れてはいけない。つまり日本人の考える当たり前=絶対的な正しさではない、ということだ。

 


Ⅳ. 「安心のための不自由」から、「信頼のための自由」へ

 

私たちは「安心」の名のもとに、自由や自然なふるまいを少しずつ手放してきた。けれど本当の安心とは、恐れから生まれるものではない。それは、自分と他者、そして生命そのものを信じるところから始まる。

 

イタリアなどのヨーロッパ諸国では、マスクを外すという行為そのものが「私は自分の判断と命を信じて生きる」という意思表示になっている。それが成熟した自由社会の姿だ。

つまり、他者や世間を気にして、権威や権力に従う日本は、まだまだ未成熟な社会と言える。

 

今こそ私たちも問うべきだ。
安心とは何か。安心と引き換えに手放しているものはないのか。
本当に大切にしたいものは、本当に守りたいものは何か。
そして、どれだけの「笑顔」や「生命の交流」を、恐れの中で失ってきたのか。

 


Ⅴ. ヨガが教えてくれる「生命への信頼」

 

ヨガではこう説く。

“You are not a limited being; you are the infinite Self.”

(あなたは限られた存在ではなく、無限の自己である。)

 

“The Self is ever perfect and complete.”
(真我は常に完全であり、欠けていない。)

 

つまり「生命は本来、完全である」ということ。

 

呼吸を整え、身体を感じ、心を静めるとき、人は外側の不安ではなく、内側の静けさに帰ることができる。

 

安心は誰かが与えてくれるものではない。自分の内側に取り戻すものだ。

 

あなたが深く呼吸をして、素顔で笑えるとき、そこにこそ”真の安全”がある。

 


Ⅵ. 劣化ではなく、進化のための揺らぎ

 

コロナは、日本社会の”劣化”を映し出したのではない。
それは、進化の前触れとしての”揺らぎ”だった。

 

恐れと依存の社会から、信頼と共鳴の社会へ。

 

その転換の扉は、誰かが開けてくれるのを待つものではない。
自分の意思で、自分の行動で、静かに開くものだ。

 

Kota

ChatGPT Image 2025年10月27日 20_38_13

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